| 日本航空新聞 第1199号平成17年3月17日 より転載 ◎ Asian Rotorcraft Forum 毎年、Heli-Expoで日本のヘリ業界の現状等を述べるシンポジウムをJapanese Rotorcraft Forum″と銘打って開催していたが、今年はAsian Rotorcraft Forum"に名称を変更して2月7日午前11時から開催した。 今年のスピーカは朝日航洋社長の浅野健一氏とITCアエロスペース社長の中山智天氏の2氏で、浅野氏は「日本のヘリ業界は常識を欠いていないか?」の題でヘリ業界への提言を行った。 中山氏は、氏が中心となって推進している中国−上海のヘリポート建設をべ−スに、中国へのヘリの定着を狙ったプロジェクト内容の紹介であった。例年になく出席者が多く、およそ70名が参加、海外参加者からも質問が寄せられた。 上海の中心地・龍華空港で2007年ヘリポート供用へ ITC中山社長発表 2人目のスピーカーは、中華ヘリコプター協会(CWHA)の代表理事の1人でもあるITCアエロスペースの中山智夫社長が中国・上海でヘリポート建設事業の実現を通じて中国市場でのヘリ定着を狙ったプロジェクトを紹介した。概要次の通り。 (1)CWHAの発足まで: a. 2001年=ヘリ運航事業解放に向け中国政府や一般の意見を招請し始める。 b. 2002年=HAIのロイ・リサペイジ会長が中国を訪問。 c. 2003年=10月に上海で国際会議を開催。CWHA発足。 d. 2004年=日本にCWHA日本支部を設置。西川渉氏、佐藤隆(当社会長)など50名の専門家をアドバイザーとする会議を定期的に実施。 e. 2004年=HAI年次総会&コンベンションでチャイナ−フォーラム開催。CWHAとSHC(上海ヘリコプター・センターの推進計画を発表。 (2)中国のヘリ市場:中国の調査機関は将来の民間ヘリコプターの需要を2010年までに2千機、2020年までに1万機需要があり、機体価格ベースでの市場は840億ドルになると予測。 (3)CWHAの役割・活動等: a. 目的=HAIの豊かな経験と協力を得ながら、中国でのヘリコプター・ビジネスを推進・発展させる。 b. 使命= ア.中国でヘリ運航事業を実現させ、またそれを維持・拡大。 イ.完全なオープン・スカイの実現とパイロット、メカニックの教育の実施。 ウ.これら活動に対するHAIによるサポートを得る。 c. 活動=HAIの一支部の立場で中国での活動を行う。 d. メンバー=ヘリ・メーカー、運航会社、関連産業、個人および事業パイロット、その他で構成。 (4)SHCの基本構想: a. 同プロジェクトのスタディ・グループを日本に設置。 b. SHCを中国最初のヘリコプター・ビジネスのモデルおよび実験箇所として特別開発区とする。 c. 世界の製造業の中心地である上海デルタ地区に設置。 d. 欧米、日本が投資した中国工場が多く集まる上海デルタ地区にヘリ事業を展開する。 (5)SHCの具体的構想: a. 供用開始後10年間は税金等を無料とする。 b. SHCの体制下で安全運航や法整備を推進する。 c. JVを通じてHAIのメンバーによる技術ノウハウの移行や安全運航のトレーニングを行う。 d. 建設開始は2006年、供用開始は2007年を計画。 (6)SHCの候補地および機構: a. 上海市の中心にある籠華空港1OOOmの滑走路がある上海で最も古い空港)を候補地とする。 b. 12万平方メートルの敷地に運航会社用として12〜15の格納庫兼事務所を建設。 c. 最初は30機ほどで、5年以内に150〜200機の規模とする。その時点で世界最大のヘリポート・センターとなる。 d. 建築には1900万〜2500万ドル掛かると見ており、国際金融公社等のファイナンスを検討。 e. SHCの運営は中国側51%、欧米の機関投資家49%の出資比率でJVとして計画。 (7)今後の活動:本計画をHAI・CWHA共同で推進を図るため、来る4月末にHAIメンバー、ヘリコプター運航会社25社からなる訪中団を結成して上海政府を訪問。交通部、民航支部など政策決定機関との面談協議を行い、前向きな方針決定を受け、北京に行き中央政府の交通省大臣および下部組紙である民間航空総局長との打ち合わせを持つ予定。同時にHAI・CWHA共同名での正式なSHCプロジェクト実施の申請を行う予定。なお、中国側での本プロジェクトの推進と実現のため全ての折衝を行っているのは、CWHAのもう1人の代表理事である羅悠真氏で、同氏は中国全国工商業連合会および中国商業連合会の日本代表を務めている。 |